国際間の貿易・資本取引などの業務決済に広く使用されるなど、その役割は大きく、世界の基準・標準となっている基軸通貨です。また、FX市場でとりわけ流動性の高い通貨ペアは、ユーロ/米ドル、米ドル/円、英ポンド/米ドル、米ドル/スイスです。一つの事実としてFX取引の90%以上に米ドルが絡んでおり、世界で最も頻繁に取引される通貨なのです。そのため、アメリカの経済指標や政策金利、企業業績や軍事のニュースなど、ドル関連のファンダメンタルが為替マーケットを動かす要因となります。9.11以降は各国中央銀行など海外の米国資産保有者は、米国の不確実性の増加と金利低下を受けてドル保有を縮小しました。また、ユーロの登場が米ドルの地位を脅かしています。多くの中央銀行が、米ドル保有を削減し、ユーロ保有を増大させ、準備通貨の分散化を進めています。そのトレンドは今後一層拡大すると見られています。金価格と米ドルには、歴史的に完全に近い形で逆の相関があります。日々の金価格と米ドル価格の推移をチャートで比較すると互いが鏡映像を描きます。金価格が上昇すると米ドルは下落し、金が下落すると米ドルが上昇するのです。このことは金が米ドルで評価されていることに起因します。世界的な不確実性をきっかけとする米ドルの下落が金価格上昇の主たる要因でした。金がお金の究極的な形態であると一般的に見られているためです。金は有事に強いコモディティとしても見られています。地政学的に不確実な時期になると投資家たちは金に群がる傾向があり、それが逆にドルに打撃を与えます。米国市場は世界最大規模の市場であり、投資家は米国資産が提供する利回りに極めて敏感なため、今後の通貨動向を予測するための強い指標になります。特に大口投資家は、常時最も利回りの高い資産を探しています。米国利回りが低下するか、米国以外の利回りが上昇すれば、投資家は米国資産を売却し、海外資産を購入するようになります。米国債券や株式資産、投資信託の売却は、米ドル売りと海外通貨の買いが必要になるため、米ドルが下落するなど、外為市場に影響を与えます。米ドルにとって重要な経済指標は以下のとおりです。経済指標の数値によっては、長期的にも短期的にもFX相場に影響を強く与えます。米国の主要経済指標は@雇用統計 - 非農業部門雇用者数、A消費者物価指数、B生産者物価指数、C国内総生産、D貿易収支、E雇用コスト指数、FISM製造業景況指数、G鉱工業生産指数、H消費者信頼感指数、I小売売上高、J対米証券投資状況(米財務省TIC統計)。国内総生産(GDP)が世界一という大きな経済規模を持ち、その技術開発力と生産力、消費力で世界経済を引っ張る存在です。GDPの80%近くが金融、不動産、交通、ヘルスケア、ビジネスサービスから発生しています。米国経済は大まかにサービス指向です。技術に関しては他の国からの追い上げが激しいが、情報技術、医薬、航空宇宙備品や軍装備品の分野で米企業は技術の最先端近くをキープしている。2004年の後半には、アメリカ経済はエネルギー価格の急上昇に大きく影響された。アメリカが抱える問題としては老齢化人口に対する医療・年金費用の急上昇、巨額の貿易と財政赤字、そして低所得層の家計所得の沈滞などがある。1980年代から続いている資産膨張を背景にした消費増大がアメリカ経済の根幹となっている。